Sunday 18 September 2011

Ryan "ストレッサー" Air

パララッパ パパパッ パパパッ パラパッパーーーーー!!

飛行機の着陸とともに鳴り響く、大音量!

ウマ? 何のレース?

続いて、、、

「本日も定刻通りのフライト運行にご協力頂きましてありがとうございます!」(英語だったか、イタリア語だったか、もう定かでない、、、)


競馬か? おまえらはっ!?


(かの有名な?)格安フライトを提供するアイルランドのライアン・エアーの着陸時の放送。
そして拍手するイタリア人たち。

拍手すなっ! いちいちっ!








7月にバルセロナに行った時、乗り込んだのはこのライアン・エアー。確かに安い。(支払いは仕事を依頼してきた人だけど)

でも、”快適”で”楽しい”旅を提供するエアラインとはほど遠い、 ”ストレスかけまくり”エアラインだったのだよ、、、。






ライアンを利用したのはこれが初めて。相方にも初めての経験。
まずは、飛行機を手配してくれた人から「チェックインバゲージは必要?」と聞かれた。
何も考えずに「うん、必要」と答え、「じゃ、二人で一個にしてね」と言われる。
なぜなら、チェックインバゲージには、(オンライン予約の場合)15〜45ユーロかかるから。そりゃ経費はおさえたい。二人で一個(確か、私たちのフライトは15キロまで)で充分。

問題ないでしょう。夏場の旅行、服も軽くてすむ。機内持ち込み荷物もあるし。
でも、荷物の重量など制限が厳しいことは耳にしていたので、相方も私もちょっとドキドキモードに入る。

そう、問題は我々の荷物の量なのだよ。余裕だと思ったけど。


相方はラップトップコンピュータが壊れたから、仕事の場合は常に大量のハードディスクを運ばねばならない。いくつあるんだろうか。知らない。

チェックインバゲージにも詰め込み、出発時にはギリギリ15キロ。
さらに機内持ち込み荷物にも詰める。相方の大型のメッセンジャーバッグがパンパンになる。

私の手荷物はリュックひとつ。普通の大きさ。
というのも、私にはこのリュックしかないから。これ以外には大型バッグは口のあいたトートバッグしかない。
チェックインバゲージで事足りるので、余裕な気持ちでいた。


出発時、ベルガモのオリオ・アル・セリオ空港で、わしら固まる。

無事にチェックインを済ませた後、セキュリティコントロール(荷物と人体をチェックする、あのゲート)で、係員の女性が客の旅姿と搭乗券をチェックして、ちょっと大きめの荷物をもったライアンの客ならば「こちらで荷物を計ってください」と、ライアンの機内持ち込み制限サイズに作られたチェック用鉄カゴを示す。これで大きさと重量がバレてしまう計測されてしまう。
自分たちが並んでいる前で、何人もの人が「サイズオーバー」「重量オーバー」と蹴られて列から離れていく。


ぎょぎょぎょーーーーー。
相方のメッセンジャーバッグの重量、チェックしてこなかったーーーー。


もしもの場合には、ハードディスクをいくつか私のリュックに詰め込めばいいさ、とキリッとした表情で係員に搭乗券を見せる。

スルーーーーーーッ!


何のお咎めもなしにスルーできたのだよ、ここ。
よかったーーーー。


きっと、こちらの荷物がメッセンジャーバッグとリュックだったから、問題ないって思われたのね。見た目では重さなんてわかんないしさ。
相方のメッセンジャーバッグはパンパンで、例のチェック用鉄カゴに収まるかどうかもわかんないサイズだったけど、とりあえずここはクリア。
(荷物チェックして蹴られたのは、ほとんどゴロゴロのついたキャリーケースの人たちだった。)


ふふーん♪と鼻歌気分で搭乗口へ。
搭乗口にも3人くらいの係員が「まだチェックするんかい!」とツッコミたくなるほどにチェックしている。
こちらもクリア。ふふーん♪


離陸後、私は眠くなってフライト中に寝ていた。(だって、機内サービスももちろん有料だから、横をアテンダントが通っても何もお願いすることないし。)


突然、機内放送が鳴り響く。チャンチャラチャンチャンチャーーーーーン♪

何事っ?


イタリア語の放送(だったと思う)が入る。早口すぎて私にはわからん。
放送を聞いて、相方が呆れる。


「宝くじを売ってる、、、、」

はぁ? 機内で宝くじだとぅ?


宝くじにはびっくりしたけど、他にも機内販売や機内サービスの宣伝の放送が時々入る。


お願いだ、寝かせてくれ、、、。


そして、着陸時、冒頭にも書いた、

パララッパ パパパッ パパパッ パラパッパーーーーー!! 」

何事かーーーーー?


心臓に悪いんだよっ。
さらには拍手? 通常運行で、いちいちすなっ。

とまぁ、バルセロナ滞在の喜びの方が大きかった私たちは、こんななかでも到着後はウキウキ気分で街中行きの電車に乗り込んだのでした。




そして、滞在中。
バルセロナの街を歩いていて、イタリアではなかなか見つからないステキなものを見つけるたびに私の頭をよぎるのは「帰りの荷物」。

これよ、これ、これのおかげでRamonasの自転車バッグを断念したし、毛糸も最小限の量にとどめたのよ。


でも、いくら毛糸を最小限の量にとどめたとはいえ、私のリュックは普通のサイズ。軽いといえど、かさばる毛糸を詰め込むには無理がある。


そして、私がとった手段は、「かばんを買う」こと。


ある程度、これは覚悟していた私。どーせ、買い物するだろうなーとは思ってた。それに、持ってきたリュックは年季物で壊れかけている。愛着はとってもあるけれど、物はいつか手放さねばならないときもくる。

「毛糸を買う」と決めてから、実は先にかばん探しを始めていた。
軽くて、ほどよいサイズで、安いかばん。そして、贅沢を言えば、造りもデザインもチープすぎないもの。今後も使いたいしね。

すぐに見つかった! ふふふ。勘を働かせて、バルセロナ内でわかるお店に行ったのだよ。
30ユーロちょいで、納得のいくものが見つかった。reisenthelのバッグ。容量、デザイン、価格、どれもOK!


そして愛用リュックは、空港に向かう直前にバルセロナの街中のゴミ箱に消えてった。
そういや、前回のバルセロナ旅行でも、穴の開いた愛用スニーカーを帰りの飛行機に乗る直前に捨てたなぁ。(決して、バルセロナは私のゴミ箱ではないんだけど。)

帰りの準備をちゃくちゃくと進める私たち。
荷物パンパンだってわかってるくせに、本を数冊手に入れた相方。重いじゃねーか。運んでやんねーぞ、オレは。
私もぎゅうぎゅうと押し込む。


とりあえず、チェックインバゲージにまたギリギリまで詰め込み、空港へ向かった。


ここでまた、ライアン”ストレッサー”エアーのストレスを受けるのだよ、、、私たち。





相方はEU市民。私はイタリアのIDを持っているけど、国籍は日本人。
EU市民以外は、EU諸国内を移動するときでも、パスポートコントロール(パスポートと滞在許可証)が基本的に必要。EU諸国内を飛び交うフライトには、イミグレーションがない。だから、チェックイン時に各社が工夫して行うしかないのかと思う。
ライアンの場合、これをチェックイン前に行っている。


もちろん、行きの便でも必要だった。
通常はチェックインカウンターではパスポートコントロール業務はできない(普通の航空会社職員だしね)。別の窓口で手続きせねばならなかった(パスポートと滞在許可証を見せてハンコをもらうだけ。)
でも、行きの便ではなぜか、チェックインカウンターのお姉さんが「こちらで確認します」と手続きしてくれた。おおおおおおおぉ。イタリアには珍しい気の利いたことしてくれるじゃないの!(単に、別の窓口を説明するのが面倒だったのかも?)


出発時に体験したこんな気の利かし方、ライアンの職員には珍しいかもしれない。
だって、オンラインチェックインして印刷した搭乗券にハンコがないと、オンラインチェックイン自体が有効にならないから、カウンターで搭乗券を再発行しなくてはならない。その再発行には、本当は40ユーロもかかる。金を取りすぎだぜ、ライアン・エアー!
それをタダで気を利かせてくれたんだから、すごい!
※きっと、私はイタリアの滞在許可証を持ってるから、イタリアから出国するときにチェックインカウンターの手続きだけで済んだのかと思う。だって、在伊外国人が出て行くことにイタリアは割と歓迎ムードだし、問題なのはイタリア再入国の時だから。


行きはともかく、帰りまでそんなに気の利いた扱いはしてもらえないことは覚悟してチェックインの列に並ぶ。
本当はハンコをもらわなきゃいけないんだけど、、、、。


どこに窓口があるかわかんないんだもーーーーーーーーん。


表示しとけよ、くっそーーーーーーー!


ハンコがないから列から弾かれることを覚悟で並ぶ私たち。周囲に窓口を探しても、それらしき案内は見当たらないし。


当然のごとく、、、弾かれた。
「ハンコがありませんね、あちらの窓口に行ってください。」


指さされた方向には、、、、え? どこ?
よーく周りを見渡す。
うん、確かにチェックインカウンターの別の列からも、インド系、アラブ系、ラテンアメリカ系とおぼしき人たちが、わさわさとある方向に向かって歩いている。


あ、あれだーーーー。地味過ぎてわかんねーよっ。

窓口でハンコをもらい、またチェックインカウンターへ。
さっきまで並んでたからと、割り込んでも良かったかもしれないけど、私にそんな度胸はない。相方も(よくありがちな)そういった図々しさがないので、また素直に行列に並ぶ。(くーっ、結構混んでる。)

ハンコをもらって意気揚々とチェックインカウンターに「たのもーーーーっ」と乗り込む。


ガーーーーーンッ。カウンターに荷物を載せて青ざめる。
チェックインバゲージが2キロほどオーバーしてるーーーー。


係員、さらっと「2キロオーバーしているので40ユーロかかりますが、どうしますか?」と。(超過料金は20ユーロ/キロ)


すぐさま、すぐに取り出せるものを抜いて、少し余裕がある私のかばんに詰め込む。
ふー。制限内に収まったぜ。


こうして、超過料金を払うことなくチェックインを済ませた私たち。
次に待っているのは、、、、そう、セキュリティコントロールだよ。


「わしらのバルクバゲージ(キャリーケースのように形がきっちりとしていないもの)なら、大丈夫だよ。」
と励ましあい、ドキドキしながらも無事に通過。


そして残るは、、、搭乗ゲート。

もー、何で飛行機1本乗るのに、これだけ緊張しなきゃいけないんだかっ。
半ば疲れ切って、搭乗ゲートに並ぶ。もー、いーでしょ、問題ないでしょっ。


そして、呼び止められたのは私。


えー? 何、何? わたくし、何かいたしましたーーーー?
心拍数、あがる。ここに来て、乗れないのか?新しいかばんの底のサイズが、実はライアンの規定より大きいのがバレたのか?


「機内持ち込み荷物は1点までです。そのポシェット、そちらのかばんに入れてください。」


え? このバッグのこと? ひょえーーーー。そこまで見てたか、ライアン職員。
きちんと仕事してるじゃーーーーん。


慌てて、列の横にはみだして、斜め掛けしてた小さいバッグを大きなかばんに詰め込む。
さっき、チェックインバゲージから取り出した超過分を適当に詰め込んだから、結構パンパン。まさか、これで止められやしないでしょーね。


ここは、機内持ち込み荷物を一つにまとめれば文句ないらしい。

無事、搭乗。ふぅーーーー。なんて疲れる帰り道。








そして、帰りの飛行機の中。行きの飛行機よりも、ジャンジャカ、ジャンジャカと大音量で宣伝の嵐。ラジオを聞いているようだった、、、。
もちろん、眠れるわけがない。


ライアン・エアー、噂に聞いた通り、なんでもかんでもチャージしてくる。
座席指定にもチャージがかかるし、オンラインチェックインすらチャージされる。ちなみに、空港チェックインではもっとチャージされる。そのうち、機内のトイレも有料にするとかいう噂。マジかよっ。
身軽な行き来ならば格安ライアンは持ってこい。でも、(相方の)仕事+(私の)バカンス気分には旅の最初と最後にストレスがかかるだけなのだ。

ぐぐぐぐっ。次にライアンエアーを利用することはねーぞ、と拳を固めていた頃に着陸。

パララッパ パパパッ パパパッ パラパッパーーーーー!!

びっくり箱か、おまえらはっ! もー、えーっちゅーねん。
そして、拍手すなっ! イタリア人たち! 

※初めて大きい文字なんて使ったら、他が急に小さくなってしまいました。読みにくかったらごめんね〜。

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