Friday 26 April 2013

スペインのお葬式にて (その二)

前回の続きです。

スペインのお葬式に参列したのですが、どこの国がどういうお葬式をして、、、って、国の中でも地域によって様々なのかと思います。なので、私なりの目線で気付いたことを。

お別れの仕方にもそれぞれの方法があるかと思います。
葬儀に参列すると決めてから、もしかして、棺の中の遺体のほっぺにチューとかするのだろうか、、、なんてことも想像しましたが、今回それはなかったです。
棺ごとガラスケースに入っていて、ガラス越しに挨拶しました。そっと、心に思うしかないですね。他の参列者も声に出して話しかけている人はいませんでした。

棺の中の友人は、黒いワンピースにハイソックス。
その編み込み模様のグレーのハイソックスですが、何だか生前の友人の姿が思い出されて何となく嬉しくなりました。
映画『おくりびと』でも、亡くなったおばあちゃんが生前、高校生の孫のルーズソックスを履いてみたいと言っていたからと、孫がおばあちゃんを棺に入れる前にルーズソックスを履かせてくれとリクエストしたシーンが思い出されました。

実際、娘さんに「ハイソックス履いてて、何だかあなたのママらしいなと思った」と言ったら、「そうね、でも実は肌がきれいじゃなくてね」と言ってました。
あ、そういえば、棺の中の人の足って見たことない。日本では大概足首まで隠れていて、足袋を履いてますよね。もしかしたらあらわにするものじゃないのかも。
言われてみると、棺の内側には白いサテン地で飾られていて、足の部分が覆われるようになっていました。隠すものなのね、きっと。
棺に入る前の遺体にまだ対面したことがないので、想像でしかないのですが。

棺ごと保管されていた葬儀場には、受付近くにショーケースがあって、色々な飾り物がありました(おそらく売り物)。
手の平サイズの骨壷型のものがあったり(素材はステンレスっぽい。何を入れるのでしょうか、、、やっぱり用途は骨壷?)、遺体に着せる(飾る)ためのネックレス、帽子、そして雨傘までもが、、、。これは棺の中に入れるものなのだろうか?

出棺、葬儀、土葬が終わり、対外的なことはこれで終了。
この後、どうしたかと言うと、、、。
日本ならば、通夜や葬儀の後にちょっとした食べ物が用意されていたり、ということがあるでしょう。
各家庭の事情で変わってくるかと思いますが、ありました。
ご家族のご友人が大量に用意してくれて、自宅に集まってみんなでいただきました。
最初は10人ほどしかいなかったけれど、入れ替わり、立ち替わりで、合計すると40〜50人くらいはいたのではないかと。
午後4時くらいから、私たちが帰ったのは10時過ぎ。その後も続いていたので、ほとんど飲み会のようなもの。途中から、ふたりの娘の友達が多くなったから、そんな雰囲気が強かったのかも。

翌日、みんなで散歩しようと約束していたので、2時間ほど散歩+観光して、3時には空港へ向かい帰ってきました。

しかしまぁ、このご家族、友人が多い。そして色んな言葉が飛び交う!
前回書いた通り、自宅にまず行ったら、フランス人親子がいたのでフランス語。お父さんはフランス語のみで、お母さんがフランス語とスペイン語と英語を少し、娘さんがフランス語とスペイン語を少し。
葬儀の友人挨拶3名も、一人目スペイン語、二人目イタリア語、三人目カタルーニャ語(バルセロナがあるカタルーニャ地方の言葉)。
基本的にはスペイン語、カタルーニャ語、フランス語、イタリア語の4つの言葉が飛び交ってました。
そうだった、ここのご家族、この4つの言葉を操るのだった、、、。プラスして英語も。そして次女はドイツ語も。あぁ、ヨーロッパだ、ここは。(英語は飛び交わなかったけどね。)

スペイン語は挨拶しかわからないし、フランス語はほとんどわからない。だから、似たような言葉があればそこから想像するしかない。
でも、カタルーニャ語は単語がイタリア語に似ていることが多い。なのでカタルーニャ語を話す人にイタリア語で話しかけたらわかってくれる。なので、私でも会話できちゃったりするのだ。
いずれにしろ、近いところの言語ってすごいなぁ。

ふとした瞬間に、この中に亡くなった友人がいない、という事実を実感します。
ご家族にはなおさらでしょう。節々で娘二人はそのことを口にしていました。その場にいる人みんなそう思ってたと思います。

お葬式の様子はこれでおしまい。

でもこういう場を目にすると、色々なものを感じます。次回はそれを。



散歩中の公園  バルセロナ、暑かった!







No comments:

Post a Comment