Friday 13 March 2015

イタリアの学校の父母ミーティングに行ってみた(子供はいませんが)

先日、イタリアの中1になる甥から電話がかかってきた。
「学校で外国の食文化のイベントがあるんだけど、来てくれる?」と。
「喜んで行くわよー!」と返事をすると、ほっとした様子でお母さんに電話を代わった。
話を詳しくもう一度聞くと、中学校で「外国の料理を作って食べよう」というイベントを開催するらしく、家族に外国人がいる人はこのイベントに招待して良い、とのこと。甥っ子は「僕の叔母は日本人だ! 連れて来る!」と意気込んだらしい。

当日に参加できる父母の代表が前もって集まり会議するというので、今日、甥っ子の母親(私の義妹)とともに会議に参加してきた。

私たちが着いた頃にはすでに始まっていて、20人ちょっとの父母が集まり、二人の先生が議長として話をしていた。
見回してみると、明らかに顔でわかる外国人は私のみ。まさか、呼ばれてないのに来ちゃったのか、、、?
でも、会議の途中で、父親らしきひとりが「私はフランス人ですが、、、」と発言したので、ほっ。

先生の話では、いくつかレシピは用意したけど、24グループあるので、1グループ1レシピで24レシピ考えて欲しいと。
ならば、思いつくレシピを出していこうと、それぞれが口々にレシピを挙げ出す。
条件は、
・子供が簡単な調理だけで作れるもので、片づけも含めて5時間で終わらせること
・火を使わない(だから、準備できるものは家で父母が準備する)、学校で使えるものは小さなオーブンと電子レンジのみ
・子供が食べそうなもの
・生卵を使わない
・乳糖不耐性、グルテン不耐性には気をつけること(絶対ダメというわけではない)
などなど。

出てきたレシピは、クスクス、ホットドッグ、フムス、ギリシャ風サラダなどなど。
そこに、「春巻き」が入ってた。
「春巻き」と聞いて大抵のイタリア人が想像するのは、中華風の揚げたもの。「火が使えないから、これはダメね」と却下になりそうなところを私が「ライスペーパーで生春巻きにすれば大丈夫ですよ」と言うと、ほぼみなさん、きょとん?と。「なーにそれ? どこで買えるの?」と聞かれたので、「ときどき(街に1件だけある)中華食材店で売っていて、水に30秒もつけてから材料を巻き込むだけだから、子供も楽しめると思います」と言うと、お母様方、経験者のあなたが言うならって感じに納得してくれ、大きな話題にもならず、私は「生春巻き」作りを手伝うことになった。

どんどんメニューの名前が挙がっていくと、だんだんネタがつきてくるのか「ブルスケッタ」「ジェノベーゼソース」「マチェドニア(フルーツポンチ)」と、それ、ガチのイタリア料理じゃーんっていうものが挙がってくる。
先生も「リグーリア(ジェノベーゼソースの発祥地、ジェノヴァがある地方)料理、いいアイデアね!」と喜んじゃって、誰もツッコミをいれる様子もない。ジェノヴァは外国とちゃうやーん。

挙げられたレシピの中で、誰も謎に思わないけど、私一人が謎に思ったものがあった。(声には出さなかったけど。)
「リゾ・カントネーゼ」。広東風の米料理。私は、それはチャーハンのようなものをさすのではないのだろーかと思った。そうじゃなーい?
義妹に「リゾ・カントネーゼって何? 私の思うリゾ・カントネーゼは、仕上げに火を使うと思うんだけど」と聞いてみると、「私はわかんないわー。でも、親が米を調理してきて、当日は子供が何かできるんじゃないの?」と。

それって、、、イタリア風のライスサラダとごちゃまぜになってないか?
イタリア風のライスサラダは、パスタのように塩を入れて茹でたお米に、後から調理済みの野菜やら何やら好きなものを混ぜて、オリーブオイルをどしゃどしゃーっとこれでもかってほどかけて和えるもの。
この方法をもとにした、広東風の米料理になるのか、まさか? ぞぞぞー。

なーんか奇妙な料理が並ぶイベントになりそうな、、、?
でも、楽しそうじゃないの、無茶苦茶になりそうで。
要は子供たちが手を動かして楽しめればいいのだから、妙なツッコミは墓穴を掘るだけになりそうなので、私はひたすら黙っておいた。

お寿司を作りたそうなお母さんがひとりいたけど、私に白羽の矢がたたなくてよかった。
後から考えてみると、私に「寿司を作ってくれ」と言われなかったのも、当然なのかも。
私が住んでいる地域ではお寿司を出すレストランは中華料理屋と決まっている。(1軒だけ日本料理屋があるけれど、普段は日本人の料理人がいないし、オーナーもイタリア人なので、あまり知られていない。)
お寿司=日本料理という図式があったとしても、日本がアジアのどこにあるのか知らない人も多い。私もヨーロッパの国々の場所を全部言えと言われてもできないとこもあるので、そんなこともありえるでしょう。
私が教室に入ったときに「あなたが、日本人の叔母さんって方ね」と先生が父母の前で言ったものの、アジア人顔は「日本人」と説明があっても、次の瞬間には全員がそんなことを忘れて、「あなた、中国人ではなかったわよね、だったらタイ人?」とそんな感じなので、お寿司の国から来た人がいるなんてことを、誰もが忘れてるはず。
あー、よかった。このイタリア人の適当加減。誰も「あなたの国の料理は、、、?」なんて尋ねてくることもなかった。

妙なツッコミも質問もなく、生春巻き作りを子供たちに教えて作るということに決まったので良かったー。

でも、妙なツッコミが入ったのは、「フランス人です」と言った父親だった。
その話は次回にでも、、、。


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