Saturday 20 June 2015

滞在許可証更新に意気込んだら、、、ちょっとズッコケ

「ズッコケ」って言葉、今でも使うんでしょうか。死語かな。

私の滞在許可証が切れるのは9月の終わり。私の現在の許可証は、イタリア人配偶者がいる家族用で、紙のもの。初回の申請から丸5年になる今年が更新です。
今年の更新以降は永久になるとのことだけど、イタリアの外国人滞在許可証の形態が統一されていない不可思議な事実。
果たして、私の地域では何と言われるのだろうか、、、。

とにかく。2ヶ月前から更新手続き可能と友人から聞いていたので、7月は何かと予定が詰まっているし、8月はどうせ社会全体の動きが止まるだろうということで、準備しなきゃいけないものだけでも聞いてこようと行ってきました、クウェストゥーラ(イタリアの警察のひとつで、移民局もこちらが担当)。

空いてたっ! ラッキー!(大きな市ではないですしね。)
待っている間、5カ国語(英語、スペイン語、ヒンズー語らしき文字が2種類、アラビア語、中国語)で書かれた小さな張り紙を見ると、「情報提供は金曜日の10:30-11:30のみ」と。
知らんかったー! 1週間のうちのたったの1時間に、知らなかったけどドンピシャで訪れていた私たち。またまた、ラッキー!

割りとすぐに順番が来て、担当のおばちゃんに「9月末に許可証の更新が必要なんですけど、何が必要ですか?」と聞くと、即座に「あら、まだ早いですよ。9月末に来てください」と。

え? 9月末の更新を9月末ですか? そんなんでいいの? 他の地域の人たち、2ヶ月前に手続きしてるんだけど、、、。

では、とりあえず必要な書類の情報をくださいというと、また悩ましい質問が。
「(今みたいな)紙の許可証にします? カードタイプにします?」と。

選べるんかいっ? なんか、なんか、、、ガクッて感じなんだけど。膝カックンされたみたいな(←まさか、膝カックンも死語?)

在伊の方、特にイタリア人配偶者がいらっしゃる方はご存知の方が多いのですが、イタリアでは、な・ぜ・か、イタリア人の家族のビザは未だにA4くらいのサイズの紙1枚です。就労ビザ、学生ビザの場合は、カードタイプが発行されているようです。
この「紙」の形態はEUが共通で使用している滞在許可証の規定から外れるのか、特別扱いで入っているのか、よく調べていませんが、過去に他のEU国で滞在許可証を見せても許可されなかったり、一旦イミグレーションの待ち合いで止められてとにかく時間がかかったりと、面倒な事態になった話を耳にします。私自身は問題になったことはありませんが、友人は他のEU国を通るとき、「まだこんなん使ってるの? ふっ」と鼻で笑われたそうです。

続けて「紙なら印紙代と写真代のみ、カードタイプは手数料に200ユーロちょっとかかるのとイタリア語のテストがあります。それによってお渡しする情報も違うので、どちらがいいですか?」と。

う、悩ましい! 私のようなイタリア人の配偶者には、紙のものしか手に入らないと思っていたけど、”お金を出せば”カードタイプが手に入ると!
(それにしても、紙のタイプならばイタリア語のテストの必要なしっていうのも解せないけど、、、。その場でツッコミを入れる俊敏さがない私の頭の回転の遅さが残念すぎる。)

このおばちゃんの横にいた警察官。以前に日本人が日本からイタリアに戻る際に紙の滞在許可証を拒否され、やむを得ず帰国した事件のことなどちょっと知っているらしく、紙かカードか一瞬悩んでいる私に「紙の許可証だと問題が起こるかもしれないと予想されてますか?」と聞かれた。そりゃもう「はい!」と。

カードタイプが手に入るならば楽だけど、200ユーロちょっとかぁ、、、きつい。
9月でよいというのなら、今すぐに決めたくないので、両方の情報をもらえないか聞いてみた。
本当にラッキーなことに、そのときには窓口には私たちだけになり、後ろに並んでいる人もゼロ。
警察官のおばちゃんが、印刷されたリストを出してきて、私が準備しなければならない項目にわざわざ印をつけてくれた!

さらには、ひとつひとつ説明までつけてくれ、この丁寧さに私も相方もかなり驚き。

この丁寧さに気が緩んだか、、、。リストをもらったはいいけど、紙なら更新の必要なしとか、カードは5年ごとに更新とか、真実なのか、噂なのか、地域特有の「変化球」クラスの真実なのか(EU共通の規則も地域特有の扱いで変わる)、そんな細かなことを聞くのを忘れてきた、、、。
カードタイプは、はなっからもらえないと思っていたので、事前に聞きたいことを準備していなかったの。あーあ。

カードなんてムリムリって思ってたから、カードタイプになったら何が起こるのか事前に情報収集してなかった。
憧れる対象(お財布に納まる理想的なサイズの許可証)を選べる選択権を目の前に出されて、ぽけーっとしてしまった。
持ち歩きにカードがいいのは当然だけど、何か更新手続きを求められるのか?
紙タイプかカードタイプか忘れたけど、5年か10年に1回は写真を更新しに行かなければいけないとか、何とか、、、?
どちらかだけは必ず更新しなきゃいけないとなると、おかしな話だ。写真の更新はいずれにせよ、いつかは発生するかと思うけど、カードそのものの更新に関しては、もしかすると他のタイプの滞在許可と情報が交錯してる?

友人は、10年以上前の紙タイプを本当にボッロボロのまま使っている。半端ない。折り目で破れてきてる。一応外国人は滞在許可証の携帯が義務なので、その友人は10年以上前から八つ折りにしてお財布に入れている。ボロボロになるのも当然だ。
自分の紙タイプがそんなことになったらと想像すると、他の国に行くときにそんなボロボロなのを出したら、それこそ怪しまれる気がする。

申請ばっかり気を取られて後のことまで考えてなかったし、さらに強調するように、あなたの更新手続きは、「丸5年経った翌日からでないと始められないので、9月の終わりで十分ですよ」と言われ、ラッキーな対応を受けたものの、「2ヶ月前から」と信じてた私にはちょっと空振り気分。

このブログを目にした方、イタリア人の配偶者がいらっしゃって、更新時にカードか紙か悩んだ方いらっしゃいませんかー。ぜひ、ご意見を伺いたいもんです、はい。

Friday 19 June 2015

20年ぶりに訪れた場所

4月に相方の伯父のお葬式があってから、5月に入ってさらに忙しくなり、あっという間に夏突入。
(ちなみに、お葬式に行くまで謎だった伯父の名前は、ジョルジョでした。霊安室の入り口に書いてあった。)

5月は前半にロンドン2泊、後半に2週間、ブリストルからバスで一時間ほどのウェルズ(ウェールズじゃないですよ、Wellsです)に行ってました。

私のヨガの先生がここ数年(とはいえ、私が指導を受けるようになったのは昨年からですが)、5月にイギリスでワークショップ、ティーチャートレーニング、ヨガ哲学の講義など開催されていて、今年は前半にロンドン、後半にウェルズという日程でした。
ロンドンの部分のメインは昨年受けたコースト同じだったので行かないつもりでしたが、、、。急きょ、「行くぞ!」と決めて、1日だけのワークショップに参加。ロンドンは相方も一緒だったので、初日に到着してからすぐにヨガスタジオに向かい、相方は自由行動。翌日2日間を二人でロンドン巡りしてきました。

そして帰ってきてからまたすぐに、今度は私一人でブリストル空港へ飛んで、バスを乗り継ぎウェルズへ。今度は13日間のヨガ哲学の講義へ。
このウェルズ。人口10000人ちょっとの小さな市で、電車もないので訪れるには少々不便なところ。でも、ヨガ哲学(今回は『バガヴァッド・ギータ』を一編ずつ見ていく長いコースでした!)の題材はもちろん、このウェルズには、どうしても行きたい!と思って、日本の貯金など駆使して予約して行ってきました!

ウェルズ市。イギリスの南西部、サマセットというエリアにある小さな都市で、近場の有名なところというと、ブリストルや、バースがあります。
このちょいと辺鄙なところにどうしても行きたかったのは、ちょうど20年前にひとりで訪れた土地だったから。まだ学生でした。
ふらっと行ったわけでもなく、そのときの目的はこれ。


Wells  Cathedral

ウェルズ大聖堂です。
私は大学の建築学科を卒業しています。その卒業論文に「ゴシック建築」をテーマに選んで論文を書きました(設計プロジェクトなんて考えようとも思わんかった、、、)。そのために(それよりも、旅行したいがためにテーマをわざわざ海外の建築に絞って)フランス、ドイツ、イギリスのゴシック教会建築を旅して廻ってたんです。

初めての一人海外旅行でした。行きたい教会をピックアップして、電車の乗り継ぎもユースホステル情報もぜーんぶ調べて旅程を組んで、、、。あぁ、懐かしい。
インターネットなんて、多分使ってなかったはず。電車はトーマス・クックの時刻表本とにらめっこ、ユースホステルも場所を調べるだけで予約も何もせず、その土地についたら「空き部屋ありますかー?」から始まり、あれば荷物を置いて、教会堂見学と街探索へ。(なければ、ユースをはしごです、、、。)

そんなふうに巡った教会の中で一番のお気に入りだったのが、このウェルズ大聖堂。
ドイツ、フランス、イギリスと造り方の基本や時代は似通っているけれど、まったく異なる様相を見せるゴシック教会建築で(語らせたらうるさいです、いや、うざいです)、それぞれ面白いところがあるけれど、入った瞬間に「うわっ!」と他とは違う強い印象を受けたのはこちら。



奥のシザー・アーチ(はさみ型のアーチ)です。写真などより、実際に目の前にアーチがあると驚きます、本当に。ものすごい重厚感で、こんな教会の造りがあったのかと。

イギリスに訪れたのはこれが6回目です。この教会に圧倒された学生のときの旅行、その後、1回目の旅の途中、小さなご縁で出会ったご夫婦のところに遊びに行く目的+大学卒業旅行と称して再訪、その数年後、またそのご夫婦に会いに3度目のイギリス。
10年ほど前にそのご夫婦(私の両親くらいの年齢の方々です)が、数ヶ月違いで亡くなってから、何となく足は遠のいてました。

昨年、東京にいらっしゃる私のヨガの先生から、素晴らしい先生を紹介していただいて、その先生がイギリスにいらっしゃるということで受講しに、久しぶりのロンドンへ。
亡くなったご夫婦の息子さんご夫婦とは時々連絡をとっていたので、久しぶりにロンドンに行くことを伝えると、「ロン(亡くなったご夫婦の旦那様)のコレクションで、あなたの名前が入っている電車があったのを覚えてる? 私の手元にあるのだけど、滞在しているホテルに送ってあげましょうか?」と。

亡くなったロンは、電車や飛行機のコレクター。家には壁はもちろん、どこもかしこも、モデルや絵や雑誌が所狭しと並んでいて、本人はバスの運転手をしていたこともある本当の乗り物オタク。ロンは私と出会ってから、新しく手に入れた電車のモデルに、なぜか私の名前のプレートを特別に作ってもらってつけてたんです。奥さんのマリーの手紙にも書いてあったし、実物も訪れたときに見せてもらったことを覚えてました。
それが残っていることに私はびっくり!

滞在は1週間あったので、その間に泊まっているホテルに私の名前入り電車を送ってもらい(これが綺麗に箱までとってあって、しかも絵皿つきの特別バージョンだった!)、受け取って開けたときには、20年近く前の思い出が蘇ってきて、もう号泣。
これが4度目のイギリス再訪のとき。

そして今年、5月に2回イギリスに訪れているので、5回目、6回目と連続したわけだけど、6回目の今回は、偶然にもヨガ哲学の講義がウェルズで、あの大好きな大聖堂を再訪。講義は、上の写真の大聖堂の左側に見える建物の横だったので、毎日、大聖堂の前の大きな芝生を横切って通いました。

小さな小さなご縁(ヨークの鉄道博物館のカフェでひとりでお茶を飲んでいたところ、ご夫婦に「こっちのテーブルにおいで。一緒にお茶を飲もう」と誘われたことが始まり)で、始まったイギリスと私の関係。
ヨガがからまって、何だか新しい方向へ向かってます。
でも、ヨガの先生がイギリスにいらっしゃるのは今年が最後とのこと。残念。

来週は、また妙なご縁で相方がひとりでイングランド北部のダーラムという街近辺を散策することに。
また新たなイギリスとの関係が築けそうな気配です。